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快適に暮らせる「木の家」をお施主様と二人三脚でつくり上げる工務店 株式会社奥山建設 代表小林大介と妻むらおかみほ夫婦です。 埼玉県在住。


by fp-okuyama
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木造軸組構法住宅の構造計画

木造軸組構法住宅の構造計画_d0080906_20555796.jpg


こんにちは、小林です。
今週の基礎トレでは構造計画に関する問題を取り上げました。

写真は用意したテキスト
(写真:右)は下記ホームページから確認できます。
http://www.howtec.or.jp/gov/kaisei/kousyutext.pdf
日本住宅・木材技術センターHPより

イラストが多用されており、とても判り易く大切なポイントがまとめられています。
木造住宅の構造を捉えるうえでともて参考になるテキストです。
また、これから木造住宅を取得する方にとっても設計者の技能を見極める参考資料となるでしょう。

木造住宅には4号特例とよばれる制度が用意されており、
一定条件を満たす建物の場合、建築士が設計することで建築確認の簡略化が行われています。
構造の安全の検討も審査省略となっており、設計される建築士の判断にゆだねられる部分が大きい現状です。確認申請がおりたからといって絶対に『安全な建物』と安心できないのです。

建築基準法では、建物の大きさに応じて最低量の耐力要素を計画するよう定められています。よって耐力壁の量を満たすことで一応適合建物となるわけですが、1階と2階の柱や耐力壁の位置が一致していないもの、耐力壁の配置に偏りのあるものなど、バランスの悪い住宅が存在します。数十年後安心して住まえるか不安があります。耐震改修工事の経験を踏まえると、すでに完成している住宅の構造的な安全性を高めることは非常に大変です。遠い将来(もしかしたら近い未来)不安と苦労を残すような住宅が本当に住まい手にとって豊かなものなのかを考えると、安心感優先の考えを持てるよう住宅取得者を先導することも僕達住宅屋の役割といえます。

1995年の阪神淡路大震災では木造住宅被害が大きく、特にバランスの悪い建物等の危険性が警告され新しい構造基準が用意されました。昨年の大震災では地震による直接的被害が少なかったといった報道もあり、若干危険意識が薄れている感じがあります。将来に安心して住まえる住宅を残してゆく為に高い品質の設計技術が求められているのではないでしょうか。
by fp-okuyama | 2012-01-13 20:54 | 住宅 | Comments(0)