『気密性を高めるのは何のため?』/建て主にもわかる建築用語スクール
2012年 02月 23日

こんにちは、小林です。日経アーキテクチュア2012.2-25号を読んでいます。
建て主にもわかる建築用語スクール/住宅省エネ編第4回『気密性をたかめるのは何のため?』
講師:宿谷昌則(東京都市大学教授)
今回は住宅の気密性能を表す値『C値』について話が始まり、気密性能と関係の大きい換気計画および、自然エネルギー利用の観点から卓越風の話題が取り上げられています。
C値は隙間相当面積のことで、住宅の床面積あたりの隙間の大きさを表します。数値が小さいほど隙間が小さく気密性能に優れる事を意味します。国の省エネルギー基準でもかつては指針があったのですが現在はなくなっておりその理由は不明です。目安として旧基準を参考にすることは出来ます。建設予定地を埼玉県とすると1999年の基準(次世代省エネ基準)で5.0cm2/m2でした。(2009年に改定されなくなっています)現在奥山建設ではお客様に0.7cm2/m2以下をお約束しています。FPグループの基準ですが、C値を1.0以下にする理由については、外部の風速が5メートルを超える場合を想定したときの影響を考えての事です。10年以上前からかなり高い基準を標準としていた事が判ります。
気密について考えて欲しいこと
①気密性能ある施工をするのは誰か?
②気密処理された内側にある木材の防腐・防蟻処理について
まず気密性能ある施工をするのは誰か?ですが、これは職人さんが行います。では、どんな職人さんが関与するのでしょうか。弊社の例ですが、まず大工さんの役割が大きいです。それから外壁や床や屋根を貫通するものを考えます、給排水配管や電気配線、エアコンのダクトなども注意して施工する事が望ましいです(外皮を貫通するのですから隙間を生む可能性が大きい)現場管理を行う監督や設計士は品質を管理する責任があります。ですが、毎日現場に張り付いて気密処理をチェックしている監督を見たことがありますか。おそらくあまりそういう方はいないでしょう。住宅の気密性能の高める為には職人さん達の経験と高い意識が必要です。
もうひとつ着目してもらいたいのが、防腐防蟻処理についてです。合板下地やビニールクロス仕上げが標準的になった事で住宅の気密性能は意識せずとも高まった経緯があります。今居る室内を見回して壁や天井がビニールクロスで隙間無く仕上げられているとしたら、空気がそこを通過し難いという事はイメージし易いのではないでしょうか。高性能な気密性にはならなくともそこそこの気密性を持つことになります。そこで、シックハウスが登場します。さまざまな条件があるのでしょうが、気密性能の向上と揮発性有機化合物を含んだ建材、家具の普及が重なった事が科学物質過敏症が増えていった原因とひとつではないでしょうか。防腐防蟻材ですがまったく人体に影響しないという確証がありますか?。気密性の高まった住宅の室内に露出する部分にこの防腐防蟻材を利用するリスクをきちんと考えるべきです。外断熱工法では、床下を室内と一体的に計画するケースがあります、この場合は土台・大引きの処理にも注意が必要です。小さなお子さんのある家庭では特に心配ですね。
先日、見学会にいらっしゃったお客様から、C値の地震や経年劣化による影響について尋ねられました。今FPグループでは築後数年たったお宅での再気密測定を実験的に行っています。その結果については後日まとめようと思います。
■■■ 木の家のぬくもり 明日が楽しみになる住まい ■■■

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