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快適に暮らせる「木の家」をお施主様と二人三脚でつくり上げる工務店 株式会社奥山建設 代表小林大介と妻むらおかみほ夫婦です。 埼玉県在住。


by fp-okuyama
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地盤調査 | 監督のお仕事

こんにちは、小林です。
地盤調査の続きです。
地盤調査 | 監督のお仕事_d0080906_22553743.jpg
★地縄で配置確認

地盤調査の価値について確認です。

例えば、
なんだか毎日調子が悪い、どこか悪いのかなと思い診察を受けに行きました。風邪ですねといわれ薬を幾つか処方されます。きちんと服用するもなかなか改善しませんそんな時にどう思いますか。

ちゃんと調べて、原因を根本から解決する方法を教えて欲しいと思いませんか。地盤調査も同じです、好都合の結果を知らせてくれる事よりも、事実を正直に分析しより安全な対策を練ってくれるほうが明らかに望ましい。

地盤調査の結果が悪いと判断をした業者は悪者的な風潮を感じますがそうではありません。地盤リスクをきちんと調査する業者は貴重です。生きて行く為に排除すべきリスクについて他人の知恵を借りるのではなく自ら学び知識を備える、経験を積むというのが本来の姿です。しかし、役割分担が当たり前の現在、それは専門家の仕事と思い込んでしまうのだと思います。もし、信頼できない調査担当ならば別の調査屋を探せば良いのだし、いちから勉強して自分で行っても良いのでは無いでしょうか。でも、時間が掛かりますし、日常生活の合間に勉強なんて出来ないと言い訳もたくさん見付かる事でしょう。

やっかいなのは、伝えることが上手≠経験知があるではないこと。
経験もあり技術があっても伝える事が上手とは限りません、精度の高い調査が行えても説得力のある会話ができるとも限らないのです。それでも、技術には価値があるという事をご理解頂きたいです。

調査の結果問題があれば、具体的な改善方法を提案して欲しいと僕なら思います。地盤にリスクがあれば、どんなに素敵な建物を作ったとしてもその魅力が失われる可能性が高いのですから。

今回の調査担当者は素晴らしかった。
地盤調査 | 監督のお仕事_d0080906_22562384.jpg
★速報値の現場確認

スウェーデン式サウンディング試験では、一般的に計画建物の4隅+中央の計5ポイントにて地盤強度の調査を行います。その結果は、調査中にディスプレイで確認する事も出来ますがひととおり調査が終わった後パソコンなどでグラフ化されたデータをポイントごとに比較すると判り易いです。経験上知識の低い調査士はこの現場調査を嫌がります。二つ理由があるのですが、ひとつは返答に困る質問をされたくないという事。二つ目にひとつの現場に当てられる時間が限られている事。(経費や人件費を確保するには一日に2現場まわらないと経済的に苦しいそうです)

調査結果から、不安要素が見付かったので追加調査を行います。

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★追加ポイントの調査

地盤が固くとも柔らかくとも均一である事が大切です。硬さにばらつきがあると建物を載せた際の沈下量にばらつきが生じ、不均一な沈下(=不動沈下)が起こる可能性があります。速報値から、他の測定点と調査結果が異なるポイントに対し少しずらした位置で追加調査を行います。そうする事で、強度の異なる範囲の大小、分布を探ります。

地盤調査 | 監督のお仕事_d0080906_22572580.jpg
★試掘による調査
別のポイントでは浅い層に他と比べ非常に硬い反応がありました。地盤としては、地表から数十センチのところに地山と呼ばれる関東ローム層(強度もあり安定している地層)が出現しており住宅の支持層として強度を見込める地盤なのですが、1ポイントだけ異常に硬い層がありました。可能性として、ガラ等が埋められている事が考えられます。特にローム層は一度掘り起こされていると地盤強度が低下するそうです。原因を究明する為試掘を行った結果、天然の玉石が出土。自然に堆積した玉石が点在している事がわかりました。これでひとつ問題が解決しました。

現場調査事態はおよそ半日ですが、事前に近隣の地盤データ(地質、土地分類、地歴、近隣データ等)を調べ土質を想定しています。また、調査結果についてこれまでの経験に基づき考察をまとめ、改良の必要性を検討しています。業態として、調査費用が安すぎる為、利益を確保する為に改良工事費が高かったり、微妙な判定は改良ありにしている等噂があります。こういった状況はなぜ生まれるのか考えていかないといけないです。良い業者、悪い業者ありますが、良い技術者が生き残れる業態を目指さないと住宅の質は下がる一方なのです。



■お客様のご厚意で、OB様宅訪問会を開催させて頂きます。

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実際に住まわれている「手づくりを楽しむ家」へご案内させていただきます。
生の声を聞いていただける訪問会です。

日時:2017年7月9日(日)13:30~

詳しくは奥山建設ホームページをご覧くださいませ。
(株)奥山建設 小林まで TEL 049-262-2239

by fp-okuyama | 2017-06-30 23:40 | 現場 | Comments(0)