どうして気密にこだわるのか
2006年 12月 02日

むらおかです。
FPの家を造る工務店仲間の勉強会に行ってきました。
より良い高気密高断熱の家を造るための研修です。
前回と同じく、講師は安田先生でした。
■■ 勉強会での考察 ■■
新省エネ法の気密は5c㎡/㎡ですが、どうして奥山建設の基準0.5c㎡/㎡程度が必要か考える。
通常、高気密高断熱住宅は、第3種換気設備で24時間換気をしています。
第3種換気では、1台の機械でトイレや風呂、台所、納戸等のよごれた空気をまとめて室外に排気します。その量は、1時間に室内空気の1/2です。
床面積100㎡のお家では、天井の高さを2.4mとして計算すると、室内空気量は240㎥となり、
1時間に室外に排気される空気量は、
240㎥ × 1/2 =120㎥ となります。
4人家族の場合、1人あたりの必要空気量は30㎥だと言われていますので、
30㎥ × 4人 = 120㎥ となり、
4人家族であれば、この120㎥が総排気量と考えることができます。
1時間に120㎥の空気が室外へ排気されると、どこからか室内に新鮮な空気が入ってこなくてはいけません。
そのために、居室の必要な部分に「パッコン」という給気口をつけます。(下の写真を参照下さい)
100㎡くらいのお家だと、6箇所程度が一般的です。
(1箇所から、1時間あたり20㎥位の空気が入ってきます。)


パッコンは直径8cm程度の穴が開いています。
パッコン1箇所分の面積は
4cm×4cm×3.14= 50.24c㎡ (約50c㎡) ・・・①
パッコン6箇所分の合計面積は
50c㎡ × 6箇所 = 300c㎡ ・・・②
一方、隙間面積(家中の隙間を全て集めたもの)を計算してみると、
新省エネ法 5c㎡/㎡(C値) × 100㎡(床面積) = 500c㎡ ・・・③
奥山建設 0.5c㎡/㎡(C値) × 100㎡(床面積) = 50c㎡ ・・・④
①②③④を見比べてみてください。
新省エネ法では、パッコン10箇所分の隙間が開いています。
(隙間をパッコンとしてみなした場合、合計10+6=16箇所)
奥山建設のFPの家は、パッコン1箇所分の隙間が開いています。
(隙間をパッコンとしてみなした場合、合計1+6=7箇所)
皆さんどう思われますか。
私達がどうして気密にこだわるか、ご理解いただけますか。
パッコン6箇所で設計したお家が、余分に隙間が天井や床や壁にあいていた場合、計画通り換気されないのはおわかりいただけると思います。
これが国の新省エネ法の基準というのは甘すぎるのではと思うのは私だけではないのではないでしょうか。
安田先生は、アイベックの研修会で多くの住宅を造る方々に気密の重要さを訴えられています。
※参考までに
風がふいたときの換気の考察は奥山建設のホームページ>凡事徹底『住宅の性能を確かめる3つの測定』の「気密を測定する」で考察しています。

当社では、施工している全物件にて、
外部機関による気密測定を実施しています。